彼女はなぜ妹を刺したのか

2011年4月号 連載 [眠れぬ夜のバラード ~うつ病時代の処方箋~]

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このところ、裁判所や検察官から精神鑑定の依頼を受けることが多くなった。精神に異常がある者の犯罪が増えたせいとはにわかに結論できないが、了解しにくい動機による犯罪が増えていることは確かなようである。さらに、裁判員制度が始まり、了解しにくい動機について専門家でない人々にも医学的な説明が必要になってきたからのようでもある。おかげで、お白州に出るように召喚状が届くようになった。証人としてであっても、法廷で話すのは緊張する。そのようなところで、了解しにくい動機についてわかりやすく説明してくれと担当の検事から求められても、説明するのは簡単ではない。たとえば、小学2年の頃、押し入れに隠れた妹の腕を引っ張ったところ、妹は激しく泣き、「腕が折れた」と母親に言いつけたため、彼女は母親から叱られた。それから18年後の26歳の時に、三つ年下の妹をナイフで刺した。刺 ………

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