中東懐柔マネー撒き「QE3」

リビアもサウジも、民衆をなだめようと大バラマキ。日本は一難去って「不況下の物価高」の暗雲が。

2011年4月号 BUSINESS [第3次石油危機前夜]

  • はてなブックマークに追加

チュニジアに始まる中東政変のドミノは、リビア内戦が深刻化した時点で様相が一変した。供給ショックへの懸念から原油価格が急騰しだしたからだ。民衆の不満をなだめようとする政府のバラマキが、インフレの地合いをさらに煽る。今や世界は第3次石油危機の前夜を迎えている。ベン・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長なら、この光景を見て何と言うだろうか。反政府勢力の攻勢に対抗すべく、リビアの最高指導者ムアンマル・カダフィが首都トリポリで、各世帯に500リビアン・ディナール、日本円で3万3千円の現金を支給しだしたからだ。支援金の支払いに際し、政権側はパスポートのようなものに受領印を押している。仮にトリポリが陥落した際には、パスポートに受領印を押された市民は、親カダフィの十字架を背負うようなもの。反カダフィ派から弾圧されるのは必至である。独裁者は断末魔に、とんでも ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。