「渡辺更迭」トヨタで何が起こったか

目障りな前社長を飛ばして、財界活動に背を向ける。国内の過剰生産設備に切り込む覚悟はあるか。

2011年4月号 BUSINESS [待ったなしの「国内リストラ」]

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トヨタ自動車の豊田章男社長(54)は3月9日、2015年までの経営方針「グローバルビジョン」を発表した。主な内容は、取締役数の大幅削減、世界各地域への権限移譲や新興国での販売強化など。連結営業利益1兆円(営業利益率5%)の確保も打ち出した。章男氏は会見の冒頭で「お客様に選ばれる企業でありたい。トヨタを選んでいただいたお客様に笑顔になっていただきたい。これが私なりの反省も踏まえて到達した結論です」と述べた。昨年のリコール問題や米公聴会への招致といった苦い経験を踏まえ、意思決定の迅速化を図る。今後は、トヨタ本社は大きな道筋を示すだけ。世界の各地域が具体的な戦略を立て、素早く対応する経営スタイルに変える。オーソドックスで目新しいものはない。むしろ、トヨタほどのグローバル企業の方針転換としては遅きに失した感がある。かねて本部制を敷くホンダの米国事業は、現 ………

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