2011年4月号 BUSINESS
今や書籍にも電子化の波が押し寄せ、部屋にあふれていた本までもパソコンの中に収めることができる世の中。ところが、デジタル情報の長期保存には、依然として難問がある。まずITの技術革新の速度が速く、次々にバージョンが変わり、古いソフトで書き込んだ情報が読めなくなる。ソフトウエアのメーカーは上位互換性があると主張するが、たとえばフロッピーディスクに記録したデータなどは古いハードウエアがないと事実上読み取れない。ソフトだけでなくハードも保管しないと読めなくなってしまうのが現実だ。その上、主流の保存メディアであるDVDなど光ディスクの寿命は決して長くない。メーカーはほとんどアナウンスしないが、10年からせいぜい数十年というのが業界の常識で、ユネスコの報告書でも長期保存にCDやDVDを使うのは「重大な危険を伴う」と警告されている。ハードディスクも故障や劣化が避け ………
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