為替デリバティブ損失問題「ADR」で臭いものにフタ

2011年3月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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中小企業の為替デリバティブ損失問題の落とし所が見えてきた。この問題は、輸出入に伴う為替リスクをヘッジする通貨オプションなどを銀行が中小企業に大量販売したのが事の発端。急激な円高で想定外の損失を抱え、なかには本業が順調にもかかわらず倒産する中小企業まで出てきた。金融庁の調査では、契約企業は1万9千社にのぼる。問題視されているのは銀行がリスク説明を省いたり、優位な立場を利用して外貨建ての取引がない中小企業にまで押し付けたケースだ。解約に1億円以上の違約金が発生するため身動きが取れない中小企業も多い。ただし、リスクを承知でデリバティブに手を出したり、儲かっている間はそ知らぬ顔で、損が出ると政治家の事務所に駆け込む経営者もいるという。この手の取引は自己責任が原則だが、予算成立すら危ぶまれる今国会での政治問題化を恐れる金融庁と、穏便に事を済ませたい ………

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