「オカルト経営」林原健の仮面の下

実質債務超過は500億円を超え、グループの暗部が次々に露見。刑事事件化は必至だ。

2011年3月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

バイオの雄の内実はでたらめもいいところだった。岡山県の有力企業「林原」が2月2日、会社更生法の適用を申請して倒産した。抗ガン剤「インターフェロン」の量産化に成功し、夢の糖質と称賛される「トレハロース」を開発するなど、ついこの前まで先端企業のイメージで語られた地方企業のトップランナー。が、実態は一族支配の下で長年にわたり粉飾決算が続いた伏魔殿だった。

四半世紀前から不正会計

林原健(69、2月2日付で社長を辞任)――。半世紀にもわたり社長の座にあったこの異形の経営者を抜きに林原グループを語ることはできない。父・一郎氏が胃ガンで急死した1961年、慶應義塾大学法学部に在学中だった長男・健氏は19歳にして急遽、社長に登板。学業そっちのけで空手に打ち込んでいた青年は帰郷すると、独学で発酵学などを修め、水飴工場だった家業を研究開発型企業へと大きく転換させた。この間、健氏はハムスター ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。