2011年3月号 連載 [隗より始めよ]
東京金融・資本市場の地盤が低下している。声高な投資家を放逐した結果、市場が弛緩し、法外な増資が横行している。発行と流通市場は乖離し、社債市場は発育不全のままである。外資では、アジアの中で東京市場をどう位置づけるか、リポジショニングの検討が始まっている。政府は「新成長戦略」の中で、アジアの金融センターとして「ユーロ市場に比肩する市場を実現する」と言明しているが、具体的なアクションを起こす意欲に乏しい。NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併協議に比べると「周回遅れ」と見える。日暮れて、道遠し。しかし東京に世界の関心を惹きつけ、情報発信力を取り戻す起爆剤がないわけではない。わが国には、政府が直接・間接運用の任に当たっている巨額のファンドがある。年金積立金(GPIF 117兆円、世界最大の年金基金)、ゆうちょ銀行・かんぽ生命(各貯金残高175兆円、運用残 ………
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