「新食料危機」に新興国不穏

砂糖や食肉の需要増加、干ばつ・水害で供給不安、QE2マネー流入の三重苦。食い物の恨みが爆発する。

2011年3月号 BUSINESS [帝国主義時代の再来]

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これは「ベルリンの壁」崩壊の21世紀版なのだろうか。チュニジアで起きた「ジャスミン革命」はみるみる中東全域を襲い、1981年以来続いたエジプトのムバラク政権にも幕が下ろされた。民主化の遅れたイエメン、ヨルダン、シリアなどは、こぞって政治改革の素振りを見せざるを得なくなっている。確かにアラブ世界は民主化の番外地にあった。英誌エコノミストのランキングでは、エジプトの民主化の度合いは世界138位。腐敗は98位、報道の自由は130位だ。チュニジアは民主化144位、腐敗59位、報道186位。ヨルダンが117位、50位、140位、シリアは153位、127位、178位……後は推して知るべしである。それでも近年は、新興国ブームにあやかってテクノクラート主導で成長路線を走り出していた。米欧の金融機関もオイルマネー流入をあてこんで、開発プロジェクトに乗ろうとした。おかげで長らく低迷していた経済も ………

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