モサド長官交代、敵に「最後の一撃」

道路渋滞に紛れ、イラン核開発の要を暗殺した「キドン」。その日にダガン長官は退任発表。

2011年2月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

新年にイスラエルの対外諜報機関モサドの長官が交代した。「チーフ」と呼ばれるこの激務を8年間務めたメイール・ダガン(65)が退き、副長官から昇格したタミル・パルド(57)にバトンタッチしたのである。そのダガンの最後の大仕事が、11月29日に実行に移された。暗殺組織「キドン」を使い、大胆にも“宿敵”イランの首都テヘランで要人を暗殺する作戦だった。現地に潜入したチームに対し、ダガンがゴーサインを出す瞬間、後継者のパルドも長官室に詰めていた。キドンはヘブライ語で「銃剣」を意味し、女性5人を含む38人のチームだ。全員20代で、南部のネゲブ砂漠の軍事基地で暗殺と外国語の専門技能を叩きこまれ、流暢にペルシャ語を操る。昨年2月、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、イスラム原理主義組織ハマスの軍事司令官マハムード・マブフーハを暗殺したことで世界を震撼させた(本誌10年4月号 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。