コモンズなき「熟議」でネジレは直せない

2011年1月号 連載 [隗より始めよ]

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2010年は英国、日本、そして米国と国政選挙で次々と政権党が大敗し、ネジレ現象があちこちに発生した一年だった。現代民主主義政治のキモは「数こそ力なり」の多数決原則だ。ネジレの続出は、現代の代議制民主主義の機能不全をさらけだした。日本でも菅首相が「熟議の国会」を掲げて秋の臨時国会に臨んだ。しかし、過去10年間で最低の法案成立率になるなど、自ら提唱する熟議ではネジレ国会をうまく運営できなかった。むべなるかな。首相の「熟議」とは、熟議民主主義のことを指すのだろう。実は、米国の政治学者ベセットが1980年に熟議民主主義の概念を提唱して以来、熟議民主主義は一貫して代議制民主主義の対立概念だと考えられてきた。熟議民主主義はアテネの直接民主政が淵源だ。関係者が直接一堂に会して対等な立場で徹底的に議論する。議論の目的は主張の違いを浮き彫りにすることだ。そのうえで ………

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