丹呉前財務事務次官の読売入りに揣摩憶測

2011年1月号 連載 [メディアの急所]

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読売新聞グループ本社が12月中旬、前財務事務次官の丹呉泰健氏を、御手洗冨士夫キヤノン会長とともに社外監査役に迎えた。丹呉氏は小泉内閣で首相秘書官を約5年半も務めた人物。民主党への政権交代後は、財務次官として、鳩山政権の財政運営を支えてきた。大物官僚の読売入りは、政官界で様々な憶測を呼んでいる。一つは、武藤敏郎元財務次官が果たせなかった日銀総裁の座の奪還。新聞界に身を置くことで財務省色を薄め、天下り批判を封じ込める狙いだろう。日銀総裁は元大蔵次官の松下康雄氏が射止めて以降、速水優氏、福井俊彦氏、白川方明氏と日銀プロパーが続き、丹呉氏の栄進は財務省の悲願である。もう一つは、丹呉氏の政界入りと政界再編の観測だ。丹呉氏とともに首相秘書官を務めた警察庁出身の小野次郎氏は「小泉チルドレン」(衆院議員)となり、現在はみんなの党所属の参院議員に転じている ………

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