信越化学は 「カリスマ金川」依存症

84歳の金川会長を補佐する73歳の森社長は忠誠を誓うのみ。トップ交代への期待は肩すかし。

2011年1月号 BUSINESS

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世界最大の塩化ビニルメーカーである信越化学工業が、半導体の主要材料であるシリコンウエハーの業界においてもひとり勝ちの様相となっている。リーマン・ショックから立ち直った半導体市場の活況を受けて「シリコンウエハー生産量は2010年度、過去最高水準に達する」と予想される。しかしながら上半期、営業黒字を確保できた大手は信越化学と、韓国のLGシルトロンだけと見られる。塩化ビニルとウエハーを両輪に勢いづく同社だが、中期的にみると内憂外患のリスクを無視できない。信越化学はムーディーズによる世界化学会社格付けで堂々の1位、時価総額ランクも世界9位と代表的な優良企業である。主力事業は塩化ビニル・化成品だが、それに次ぐ大型事業部門がシリコンウエハーだ。シリコンウエハーは、珪石を高温処理して金属シリコンにした後、様
々な熱処理を経て形成した結晶(インゴット)を薄く輪 ………

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