榊原政春日記と南方の軍政

「南進論」の理想と失望

2011年1月号 連載 [日記逍遥 第24回]

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昭和16年12月8日、陸軍少尉榊原政春は、サイゴン川河口のサンジャックで朝を迎えた。「今朝六時、大本営発表。英米敵性国家と交戦状態に入るとの事。続いて香港爆撃、マニラ爆撃、ハワイ爆撃、敵前上陸、への進軍等、驚異的な情報のみ」その日のうちに南方軍総司令部のあるサイゴンに入る。捷報は続く。「皇軍はマレーに進撃。英戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、レパルス号撃沈。ハワイの米艦隊大打撃。独伊の宣戦布告。その他気持ちの良いニュースのみ」(12月9日)翌17年1月にマニラ占領、2月にはシンガポールのイギリス軍降伏、3月にはジャワのオランダ軍降伏と、華々しい戦果とともに、南進論を唱えていた榊原日記は高揚する。「大東亜戦争はアジアに於ける有色人種の解放運動だ。白人種によるアジアの支配を根本的に覆すまで我々は闘うのだ」(1月16日)3月には念願の軍政担当となる。「軍政に廻 ………

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