したたかな駆け引きでアジア戦略を加速させるカリスマ会長。御曹司へのバトンタッチも用意周到だ。
2011年1月号 BUSINESS [「狸親父」が本領発揮]
11月26日、中国の広州市で開催されたアジア大会で男子やり投げの村上幸史選手が金メダルを獲得。村上選手が所属するスズキの鈴木修会長兼社長(80)は「金メダルは一朝一夕で成せるものではない。普段の精進の積み重ねで栄冠を勝ち得た。日頃の精進が重要だと我々に示してくれた……」とコメントした。これを聞いたスズキ系部品メーカー幹部は、「修さんらしいコメントだ。自らの経営哲学とだぶらせている」と漏らした。スズキの稼ぎ頭となったインド事業は約30年前にスタート。誰も見向きもしなかった時代に、「今出て行けば一番になれる」と自ら決断し、インフラから部品づくりまでこつこつと手がけ、ついに花開いた好例だ。08年9月のリーマン・ショック後、2兆円の利益を誇ったトヨタ自動車でさえ巨額赤字を計上したのに、スズキは一度も赤字に沈むことがなかった。100万円を割る軽自動車が主力商品な ………
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