「インサイダー」野放し米国証券不正に当局無力

摘発相手の銭ずく、力ずくに法廷で劣勢のSEC。パッチワークの法運用をかわして「ワル」が高笑い。

2010年12月号 BUSINESS

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世界の模範だったはずが、いまや悪徳栄える不正天国――米国のインサイダー取引取り締まりが混乱している。典型的な例を挙げよう。「やられた。もう俺は株を売れないじゃないか」今をさかのぼること6年半前の2004年6月28日。知人の一人である検索エンジン会社ママ・ドットコムの最高経営責任者(CEO)と8分半の会話を終えると、米国を代表する“IT成金”のマーク・キューバンは電話をたたき切った。1990年代のドットコム・バブルのさなか、ウエブキャスト・サイトなどの開発で財を成した彼はスポーツ好きで、プロ・バスケットボール「ダラス・マーベリックス」のオーナーとしても知られる。その彼にママ社のCEOが囁いたのが「PIPE」と呼ばれる投資家限定の私募増資情報。キューバンはママ社の6%の株式を保有する大株主で、「増資に参加しないか」と誘われたのだ。ところが、キューバンはいきなり電話口で相 ………

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