元頭取が銀行を我が物とし、娘婿への世襲に成功。告発本が暴く「熊本ガリバー地銀」の暗部。
2010年12月号 DEEP
熊本県内企業のおよそ6割がメーンバンクにしている「肥後銀行」。地元に確固たる経営基盤を築き、自己資本比率12・9%の堅実さから「熊本のガリバー地銀」の異名をとる。10月7日、その株価が暴落した。前日終値429円が363円に下がり、この日の東証銘柄下落率第2位となった。肥後銀は損保ジャパンや東京海上などが保有する株式900万株(発行済み株式総数の約3.8%)を売りに出すと発表。新株発行を伴う公募増資は実施しないため株式価値は希薄化しない。それなのに、なぜか急落した。大手証券幹部が解説する。「株式売却だけが原因ではない。リーマン・ショック後も500円台後半で推移していたのに、昨年末に例の告発本が出て400円台に落ちた。地元経済界に加えて個人投資家も肥後銀に嫌な臭いを嗅ぎとっている」例の告発本とは09年12月に発行された『小説 火ノ国銀行』(如月出版)にほかならない。初版3 ………
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