劉暁波のノーベル平和賞が光なら、習の中央軍事委入りは影。民衆の不満は制御不能に。
2010年12月号 GLOBAL
10月8日、中国の民主活動家の劉暁波(リウシヤオポー)がノーベル平和賞を受賞した。さらに、10月15日から18日にかけて開催された中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、習近平(シーチンピン)国家副主席が党中央軍事委員会副主席に就任、次期最高指導者の地位を事実上固めた。この二つの“事件”は、中国の未来に深刻な影響を与えるだろう。劉暁波の受賞理由について、ノルウェー・ノーベル委員会のトールビョルン・ヤーグラン委員長は「中国で続いている人権侵害を見過ごすことはできない」と語った。ノーベル平和賞の歴史を振り返れば、これが単なる美辞麗句ではないことがわかる。専制国家の反体制活動家の受賞は、その国の民主化運動のカタリスト(触媒)となり、歴史的転換点の呼び水になってきた。ポーランドのレフ・ワレサ(1983年受賞)しかり、南アフリカのネルソン・マンデラ(93 ………
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