領有権論争では日本に分があるが、結局は米中の言いなり。それでも中国との経済制裁合戦になるよりはまし。
2010年11月号 POLITICS [中国とどう付き合うか]
尖閣問題の起源については「1968年に国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の調査で、東シナ海の海底に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘されたため、中国が1970年以降、尖閣諸島の領有権を主張しはじめた」と新聞、テレビ等で報じられる。だが、70年当時私はすでに防衛庁担当記者をしていて、この問題を注視し、台湾人の記者や日本に亡命中の台湾独立派の指導者と論議することもあったから、この問題は、まず台湾と日本の間で起き、その契機は沖縄返還によって「尖閣付近への出漁ができなくなる」と台湾漁民に不安が拡がったことだ、と承知している。
台湾北部、基隆などの漁船は日本の台湾統治時代から尖閣付近で操業し、戦後、米軍が沖縄を統治していた時期にも、米軍は沖縄本島から南西約300キロも離れた無人島の付近で台湾漁船が活動するのを取り締まらなかったから、尖閣水域での操業は既得権 ………
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