「怪死」した英サイバー防衛戦士

毒殺された傍受機関GCHQの男。任務は中国を念頭に置いたサイバーテロ防衛だった。

2010年11月号 GLOBAL

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ナチスの暗号「エニグマ」を解読した英国の傍受機関「政府通信本部」(GCHQ)のスタッフが8月下旬、他殺体で発見された。対外諜報機関MI6や米国家安全保障局(NSA)とともにサイバー攻撃防衛技術を共同開発しているチームの中心人物だったガレス・ウィリアムズ(31)である。この防衛技術を開発し終える前に殺害されたことは、英米のインテリジェンス社会を震撼させた。現場はロンドンのテムズ河畔に立つMI6本部から目と鼻の先にあるピムリコのマンション。南京錠のかかった大型カバンに遺体は押し込められており、致死性・即効性が高く身体に痕跡を残さない複数の猛毒も検出された。

出世コース歩む一匹狼

GCHQに勤務する人々は、これまで同僚がそうした被害に遭うことがなかっただけに動揺を隠せない。新聞やネットでは刺殺説、毒殺説が乱れ飛び、はては部屋からSMプレー用の器具が見つかったと報道されたため、性犯罪の ………

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