小林一三日記 と日蘭会商

阪急の総帥、商工相で挫折

2010年11月号 連載 [日記逍遥 第22回]

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「大連を出発する時、大阪朝日の支局長が来て、私が近衛内閣の商工大臣に選抜せられるといふ評判であるが、何等かの交渉がありましたかといふ質問を受けた」(7月20日)昭和15年、遣伊経済使節政府代表としてイタリアを訪れた小林一三は、シベリア経由で帰国途中、大連で初めて入閣の話を耳にする。続いて名取和作からも「君の入閣説しきりなり」との電報が入る。日記には「結局蒲焼の香を風のまに〳〵かぐことであらう」としながらも、やりたいのは逓信大臣か大蔵大臣、だが「世間は、もし存在するならば宣伝省が一番適任だといふ風に誤解するだらう」と記している。翌日は近衛文麿から電報が入る。「近衛公から電報『途中ヨリ飛行機ニテ至急お帰り願度し』到着」7月22日に門司に着き、飛行機で帰京すると霞山会館に向かった。「近衛公に面会、入閣を承諾、商工大臣、午後十時頃親任式」阪急の総帥で東 ………

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