漢方薬でも「中国覇権」にやられそう

ツムラと天士力製薬が初の米国進出を目指し、つばぜり合い。国を挙げた取り組みでは中国に軍配。

2010年11月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

世界的に漢方薬の評価が高まるなか、国内漢方薬のトップメーカー、ツムラの米国上陸が実現しそうだ。ツムラは主力漢方薬「大建中湯(ダイケンチユウトウ)」の米国での臨床試験を本格化させており、早ければ2017年には承認、販売開始の見通しだ。大建中湯は、腹部の手術後に起きやすい腸閉塞(イレウス)などの胃腸障害に用いる漢方薬。1990年代の経営危機を乗り越えたツムラは、国内漢方薬市場で8割強という圧倒的シェアを獲得、次なる目標に「漢方薬の国際化」を掲げている。

FDAがガイダンスを公表

07年度の厚生労働省の統計によれば、日本の漢方薬の生産金額は1228億円。うち医師が処方する医療用漢方が946億円を占め、薬局やスーパーなどで購入できる一般用漢方が269億円、配置薬が13億円だ。漢方薬の生産金額は、91年には2千億円近くあったが、慢性肝炎や肺炎などに処方されていた「小柴胡湯(シヨウサイコトウ)」が ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。