干ばつと山火事で収穫は3割減。でも、大統領選再出馬を狙うプーチンの政治的思惑が絡む。
2010年10月号 BUSINESS
ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は9月初め、今夏の猛暑で干ばつに見舞われた地域を訪れた。事前に予告してスーパーの食品売り場に立ち寄って、テレビ番組のカメラの前で、棚に並ぶ商品の価格をチェックしては首を振ってみせた。南西部サラトフ州を訪問した際には、「いまの食品の値上がりは実勢価格に基づいていない。(穀物相場をつり上げた)投機家を捕まえなければ」と怒りをあらわにした。8月初旬以降、ロシアで食品価格が急騰している。深刻な干ばつと記録的な猛暑で、南西部を中心に森林火災や住宅の焼失が相次ぎ、複数の村落が損壊し、死者を出すほどの被害が広がった。数千ヘクタールもの農地が焼失し、小麦の収穫の3分の1が失われたのだ。タイミングも悪かった。ロシアでは来年12月に予定されている下院総選挙と2012年3月の大統領選挙を前に、ウラジーミル・プーチン首相が党首の与 ………
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