寝耳に水の転換社債発行で蔑ろの筆頭株主。しかも引受先が「民と官のヌエ」政投銀とは。
2010年10月号 BUSINESS
大手デベロッパー「森トラスト」の社長、森章は明らかに怒っていた。「だまし討ちにあったようなもんだね。今まではモノ言わぬおとなしい株主だったんだけど……こんなことをされると、モノ言う株主にでもならないと危ないね」東京・港区の森トラスト本社最上階の応接室。手堅く穏当な経営者の森が、口調こそ静かだが、その仕打ちを「パールハーバー」にたとえた。最後通牒が遅れて米側に「だまし討ち」と言われた真珠湾攻撃のように、前触れもなくいきなり森トラストに斬りつけたのは、全国21館の大型ファッションビルを運営するパルコ(東証1部)だというのである。森トラストはパルコ株33.26%を保有する筆頭株主。8月25日、パルコはだしぬけに日本政策投資銀行(政投銀)を引受先に新株予約権付き転換社債(CB)150億円を発行すると発表した。CBを普通株に転換すれば、政投銀が18.73%の第2位株主に躍 ………
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