「死の谷」に挑む産業革新機構

大学などに眠る医療特許を買い取り、事業化を目指す「知的財産ファンド」設立の舞台裏。

2010年10月号 BUSINESS

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「官民出資の1兆円ファンド」として昨年誕生した産業革新機構が、勝負に出ようとしている。大学などに眠る医療関連の特許を買い取り、事業化を目指す日本初の知的財産ファンドの設立を決めたのだ。「役立たずの穀つぶし」という批判を跳ね返すには、実績を示さなければならない。意気込みは良いとしても、構想倒れに終わるリスクと背中合わせでもある。産業革新機構は、オープンイノベーションによる新たな成長産業を育成する狙いで、麻生太郎政権末期の2009年7月に鳴り物入りで発足した。経済産業省が旗振り役で、15年間限定という設置期間中に、先端技術などの事業化を目指す。民主党に政権交代後、自民党政権の遺物として捨て去られても不思議はなかったが、新産業の育成は、鳩山由紀夫、菅直人両氏の民主党政権にとっても課題だ。そんな事情から生き残った。

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だが、革新機構がこれまで支援を決め ………

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