2010年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
米国の金融危機を契機に新造船の受注が途絶え、造船業界でコンテナ船など貨物船の建造設備の維持が困難になってきた。川崎重工業傘下の川崎造船が坂出工場で貨物船のドック1基を休止するほか、三菱重工業は神戸造船所の設備廃棄にまで踏み切り、不況モードが一気に表面化した格好だ。造船業界では危機以前の活発な海上輸送を背景に、中国を中心に設備拡張が相次いでいたが、世界同時不況に陥り、需要が蒸発。標準貨物船換算で供給能力1億2500万トンに対して、需要はわずか約1千万トンにとどまる。三菱重工は「12年まで需給ギャップは10倍以上で推移する」(原壽常務執行役員)と判断、神戸の貨物船建造から撤退し、長崎と下関の造船所に集約する。大幅に縮小したパイをめぐり、中国勢は過剰設備の稼働率を維持するため安値攻勢を仕掛ける。韓国勢も為替のウォン安・円高を追い風に価格競争力を強めてお ………
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