円高にたまりかねて中国進出で稼いでも、本社との無形資産取引にはがっぽり徴税。手ぐすね引く中国。
2010年10月号 BUSINESS [移転価格税制の悪夢]
伸び悩む日本国内の市場を見限って、高成長が続く中国市場に活路を求めて進出する日系企業が、中国の税務当局から巨額の追徴課税を受けるリスクが高まっている。中国当局の武器は「移転価格税制」。法制度が完備され、執行体制も整いつつあるようだ。数年前、武田薬品工業やソニーなど一流企業が相次いで日本の国税当局から100億~1千億円単位の申告漏れを指摘された時の「悪夢」が、舞台を中国に変えて再び甦ろうとしている。「今後、移転価格調査を積極的に推進する。製造業だけでなく、これからは百貨店やホテル、サービス業など他業種にも広げ、無形資産取引についても強化する」中国国家税務総局(SAT、State Administration of Taxation)で国際課税部門を統括する夏光宇・国際税務司反避税処副処長は今年3月、東京で開かれた税務の専門家らとの会合に出席し、そう宣言した。同席していたある上場 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。