好発進の日経「電子版」に一抹の不安

2010年9月号 連載 [メディアの急所]

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我が国新聞業界初の電子新聞、日経「電子版」の有料購読者が7月7日、7万人を超えた。3月23日の創刊から3カ月余りの好発進に、日経社内には「初年度目標の10万人も達成可能」との楽観論が広がる。が、その一方で、不安もある。電子版をとる代わりに、同社の収益の柱である紙の新聞を止める「カニバリズム」(共食い)が増えているのだ。同社としては紙の新聞(多くの地域で月ぎめ4383円)と電子版(1千円)をセットでとる「Wプラン」(5383円)が有り難いのだが。同社は当初、有料読者の80%がWプランを選ぶと想定していたが、創刊1カ月の4月に70%と判明、7月には65%(4万5千人)に下落した。無理もない。日経は「電子版は紙とは違う独自の情報や機能を盛り込んだ『別媒体』」と強調するが、一般読者にとってはどちらも「日経新聞」で、それほど差はない。むしろ基本的な情報がダブっており、紙でしか ………

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