隣国と断交で右往左往焼きが回ったチャベス

ベネズエラの対コロンビア断交はひとまずホコをおさめたが9月選挙をにらみ、経済失政を糊塗する本心が透ける。

2010年9月号 GLOBAL

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「わが国が武力攻撃を受けたら、石にかじりついてでも断固、石油の対米供給を停止する」南米の反米国家ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領がまた吠えた。隣国コロンビア政府に、同国の反政府ゲリラをベネズエラがかくまっていると糾弾され、猛反発してコロンビアとの断交に踏み切ったのだ。コロンビアの背後にいる米国への石油供給停止も辞さないと大見得を切り、メキシコ湾の石油流出事故に追い打ちをかけるかに見えたが、8月7日に就任したコロンビアのファン・マヌエル・サントス新大統領の働きかけで、ひとまずホコを納め、またまたお騒がせぶりを露呈した。「オオカミ少年」の裏には、経済的な手詰まりを外患でそらす意図がかいま見える。7月22日に開催された米州機構(OAS)大使級会議で、コロンビア政府の代表が出した声明にチャベス大統領が即刻反応した。声明では、1500人規模の反政府左翼ゲリ ………

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