国連IPCC報告のデータ捏造疑惑は次々と「シロ」。が、舞台裏は不条理だらけ。渦中の人が現場報告する。
2010年9月号 GLOBAL [環境信者vs懐疑派]
英国では「夏枯れ」を「愚劣な季節」(silly season)と呼ぶ。7月下旬から秋にかけての長い議会の閉会期間は重大な政治ニュースがないので、どちらかというと浮世離れした軽い内容のニュースばかりになってしまうからだ。しかし気候変動という全人類の命運がかかった差し迫った問題については、まさに「愚劣な季節」が何カ月も続いている。昨年11月、英国の気象研究で中心的な役割を果たしてきたイーストアングリア大学の気候研究ユニット(CRU)から、研究者が交信した1千件もの電子メールが流出した問題――「クライメート(気候)ゲート」が発生し、流出メールやその他の文書から、CRUの研究者が職権を乱用して温暖化を誇張するためにデータを捏造したと疑われた。調査に乗り出した英下院議会科学技術特別委員会など三つの調査チームの関係者は、表向き本当にそんなことがあったのかどうか、確固たる意 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。