「国家戦略局骨抜き」は仙谷の権力欲

オンリーワンの司令塔を目論む仙谷官房長官が、官邸の全権を握ろうと荒井戦略相を棚上げにした。

2010年9月号 BUSINESS

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こんな体たらくなら、自民党政権の既定路線を踏襲した方がマシ――。沖縄県の米軍普天間基地の「県外移設」に劣らず徒労感が際立つのは、首相官邸主導の政策決定の司令塔となるべき「国家戦略局」構想の迷走である。民主党マニフェスト(政権公約)の目玉がもはや見る影もない。「もともと首相直属で、役所のレクチャーとは違う視点で首相に助言するシンクタンクをと考えていた。私の意図は『格下げ』じゃない」8月6日に閉会した臨時国会での衆参予算委員会審議。参院選惨敗の責任を神妙にわびた首相の菅直人が声を荒げて譲らなかったのが戦略局のシンクタンクへの衣替えだった。

司令塔権限巡るトラウマ

昨秋の政権交代直後、前首相の鳩山由紀夫は内閣官房に国家戦略室を置き、菅を副総理兼担当相に据えた。「局」への格上げを目指す政治主導確立法案を通常国会に提出。権限は「経済全般の基本方針」「財政運営の基本」「租税 ………

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