日立製作所「V字回復」の落とし穴

投資家説明会で批判が噴出。エコポイントが切れたら、家電事業は血みどろの赤字地獄に陥る。

2010年9月号 BUSINESS

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リーマン・ショックの嵐に巻き込まれ、過去2年間で8942億円もの最終赤字を計上した日立製作所。2010年4~6月期は884億円の営業黒字に転換し、これまで巨額赤字に批判を浴びせていたメディアは掌を返したようにV字回復と持ち上げる。しかし、実態はさにあらず。業績回復で気が緩んだのか、改革の機運は停滞。事業の選択と集中で脱「総合電機」を目指すはずだったが、競争力を失った家電に拘泥し、なかでも不振のテレビ事業は経営の「不発弾」と化して内部に抱え込まれたままだ。危機は終わっていない。900社に上るグループ企業群を抱える日立。上場子会社だけでも11社を数え、肥大化したグループ経営の効率化は急務だ。昨夏、TOBによる日立マクセルや日立プラントテクノロジーなど上場5子会社の全額出資化を決定し、グループ再編はようやく始まった段階にある。

「問題先送り体質」に逆戻り

日立は発電や鉄道・交通システムといっ ………

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