2010年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
キヤノンが社運を懸けて製品化に取り組んでいたSED(表面電界ディスプレー)テレビの開発を打ち切った。液晶やプラズマ陣営に対抗、「第3の薄型テレビ」として商品化を目指していたが、液晶テレビなどの急速な価格低下を受け、御手洗冨士夫会長は「コストの面で太刀打ちできない」と苦渋の決断を余儀なくされた。御手洗会長は「自前のテレビ」に拘り、99年にSEDテレビの研究開発をスタートさせ、悲願のテレビ参入を目論んだ。SEDは高画質で消費電力を抑制できるのが特徴で、04年には東芝と合弁会社を設立。しかし、米企業から起こされた特許訴訟が長引き、07年に東芝が合弁から手を引いたことから、商品化が危ぶまれていた。キヤノンは08年にも、リアプロジェクション(背面投射型)ディスプレーの開発を断念しており、家庭向けテレビ市場への参入は事実上、断たれた格好だ。キヤノンでは御手洗会長に取 ………
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