欧州失速で陰り、企業決算は好調でも雇用が犠牲。バーナンキFRBの景気判断は一変した。
2010年8月号 BUSINESS
雇用が伸びず、住宅投資もさえない。銀行貸し出しも減り続けている。順調に回復していたはずの米経済が思わぬ踊り場に入ってしまった……。欧州の混乱の陰に隠れているが、米国は連邦以上に地方財政の傷みがひどい。金融危機の爪跡は思った以上に深い。ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)――1990年代の初頭に語られ、ITバブル崩壊後の2000年代初頭にも人口に膾炙したこの言葉が、再び米国のエコノミストの間で囁かれ出した。今月初めに発表された6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比で12万5千人減少した。センサス統計(国勢調査)の仕事をしていた政府関係の臨時雇用者がお役御免になり、22万5千人減少したからだが、民間の雇用の伸び悩みが目立つ。失業率は5月に比べて0.2%低下したものの、依然として9.5%の高水準。しかも失業率の見かけ上の好転は、失業者が働く意欲を失って労働市場 ………
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