日本風力開発が「粉飾」の覚書で断末魔

もう神風は吹かない。「内定」で計上した収入に、買い戻し特約が隠れていて、監査法人も降板した。

2010年8月号 DEEP

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これが「クリーンエネルギーの旗手」か。経営実態は「クリーン」どころか、粉飾の「泥まみれ」だった。あげくにいよいよ断末魔である。風力発電の大手「日本風力開発」(東証マザーズ上場)――三井物産で風力発電を手がけ、「風力発電は事業として成り立たない」という“常識”に抗して創業した風雲児、塚脇正幸社長の化けの皮を剥いだのは本誌だった。09年9月号で「神風決算の怪」と指摘、10年5月号で「また眉唾の神風」と警鐘を鳴らした。とうとう運命の日が来た。6月中旬以降、取引先と水面下で交わした「覚書」の存在が表面化し、すべての市場関係者の信頼を失ったのだ。 この覚書は買い戻し特約である。日本風力開発は、グループ風力発電所の電力を東京電力などに売る「売電事業」と、発電所建設を請け負った建設会社に風力発電機や電力を安定させるためのNAS電池(ナトリウム硫黄蓄電池)を代理店販 ………

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