徳川夢声日記と桜隊散る

座員たちへの被爆鎮魂歌

2010年8月号 連載 [日記逍遥 第19回]

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「結局『苦楽座』というのが一番の有力候補となつた…座員一同苦楽を共にする、番組として喜劇も悲劇もやるという意もあり、悪くない」昭和17年5月29日の『夢声戦争日記』は、新しい結成された劇団の名前の由来をそう説明する。話芸の神様といわれた徳川夢声は、明治27年に島根県益田で生まれる。幼くして上京し、東京府立一中卒業後は無声映画の弁士となり、大正4年に赤坂溜池の葵館に勤める際に「徳川夢声」を名乗り、人気を集める。昭和になってトーキー出現とともに俳優に転じ、笑い王国や文学座などの舞台をはじめ、映画、放送の分野で活躍する。ことに14年に始まった『宮本武蔵』のラジオ朗読は世評が高く、徳川夢声の代名詞となる。昭和16年に文学座を退き、翌17年、新劇の団十郎こと丸山定夫、藤原釜足改め鶏太、元新築地劇団の高山徳右衛門などとともに苦楽座を結成する。ただ12月に行われた旗 ………

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