金正日が「上海」を避けた理由

触らぬ神に祟りなし。万博の裏で胡錦涛と江沢民が暗闘。会ったのは団派の李克強だった。

2010年7月号 GLOBAL

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本誌前号で、上海市当局の指導部が北朝鮮の金正日(キムジヨンイル)総書記(国防委員長)を上海万博の開幕式(5月1日)に招こうと画策し、金正日も上海万博の視察を望んでいたことを報じた。だが結局、5月3~6日の訪中で金正日は上海には行かなかった。上海万博をめぐる中国の最高指導部内の権力闘争に巻き込まれるのを避けたのだ。この訪中でのサプライズは、金正日が(次期首相候補で共産主義青年団派の)李克強(リークーチアン)副首相と一対一で会談し、(次期国家主席候補で江沢民派の)習近平(シーチンピン)国家副主席とサシでは会わなかったことだ。李克強は遼寧省大連市のリゾート地、棒槌島での晩餐会に金正日を招き、金正日はそれに応じた。李克強は4月に遼寧入りし、金正日の視察プログラムを自ら手配していた。習近平は08年6月、国家副主席就任後の初の外遊先として北朝鮮を訪問してい ………

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