編集後記

2010年6月号 連載

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9日昼、わが家がユサユサと揺れた。東京の震度3。テレビの画面を見たら、震源は家の地下、深さ40キロだった。おやおや、直下型か。ふと思いだした。1923年9月、ベルリンで関東大震災の報に接した陸軍将校、石原莞爾(かんじ)が「日本ハスデニ四等国ニナレリ」と嘆じ、故国に残る妻を案じて書き送った手紙を。▼「此度ノ地震ハ地湧(じゆ)ノ大菩薩、再ビ世ニ出現シ給フベキ兆(きざし)ナリ。其御出現ノ地ハ東京」として、持論の世界大戦争の切迫を断言する。昔から地震が来ると人々は「世直し、世直し」と唱えたが、石原もとっさに法華経の従地湧出(じゆうじゆじゆつ)品第十五を連想し、世直しを直感したのだ。彼は熱烈な日蓮信者で、宮沢賢治も心酔した田中智学の国柱会の会員だった。▼私は家が旧来の日蓮宗の檀家だから、方便品や如来寿量品くらいは耳にしている。とはいえ、根がグータラで、法華 ………

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