オルセー展「門外不出」の巡回パワー

セザンヌ、ゴッホ、ルソーら「ポスト印象派」の傑作60点が初来日。仏ソフトパワーを見せつけるか。

2010年6月号 LIFE

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ルーヴル、ポンピドゥー・センターと並んでパリの美術館の名所として知られるオルセー美術館が、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなど、これまで「門外不出」としてきた60点を含む印象派の主な所蔵作品をまとめて公開する「海外では最大規模」と謳った展覧会を、5月26日から東京・六本木の国立新美術館で開く(8月16日まで)。初の大規模改修が2011年9月まで行われるため、閉鎖期間中に秘蔵の作品を世界に巡回させて海外での集客を狙っている。フランスでは12年にルーヴル美術館の分館を中東アブダビに開館する計画もある。「これらの絵画がまとめてフランスを離れることは二度とない」というサルコジ大統領の措辞の裏には、文化資産を積極的に海外に展開してかつてのフランスのソフトパワーを世界に蘇らせようという政策的な目論見も窺える。

「栄光のパリ万博」が原点

ドーム型の大天井と外壁の大時計がパリのセーヌ左岸の ………

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