計算高い川崎重工が「対米新幹線計画」に便乗 

2010年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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高速鉄道売り込みのために訪米した前原誠司・国土交通相は、4月30日にワシントンで記者会見を開いた。JR東日本の清野智社長、JR東海の葛西敬之会長も陪席したが、鉄道関係者を驚かせたのは、その場に川崎重工業の大橋忠晴会長もいたことだ。川重は米国に鉄道車両工場を二つ持つなど、日本の車両メーカーのなかでも突出してグローバル化が進んだ企業。だが、これまで海外では国交省やJRの思惑とは一線を画し、独自の判断で行動することが多かった。JR各社と共同で培ってきた新幹線車両の技術を中国に渡してしまったため、葛西会長を激怒させたこともある。このため、新幹線で最新のN700系車両では、川重はJR東海から完全に締め出された。昨年秋には、ブラジル高速鉄道商戦のために三井物産や三菱重工業、東芝と組んでいた企業連合から独り撤退。国策として旗を振ってきた国交省のメンツを潰した。ところ ………

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