富士通騒動で「沈黙する黒幕」

「解任劇」を秘密録音した裁判資料が公に。引導を渡したのは秋草相談役。インサイダー疑惑は濡れ衣か?

2010年6月号 BUSINESS [泥仕合の行き着く先]

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4月22日、富士通元社長の野副州旦氏が開いた記者会見は2時間半に及ぶ、稀に見る異様な光景だった。野副氏は昨年9月25日に突然社長を辞任したが、その意思表示は強制されたものであるとして、今年3月15日、横浜地裁川崎支部に取締役としての地位保全を求める仮処分を申し立てた(4月6日に取り下げ)。その際、相手方となった富士通は、野副氏の辞任は法的に何ら問題がないことを主張するべく、辞任劇の模様を録音したテープを証拠提出した。22日の会見で、野副氏がマスコミに公開したのは、富士通側が地裁に出した録音テープそのものだった。敵対する相手の証拠を暴露し、自らの正当性を訴える挙に出たのだ。実際、会見で生々しい録音テープが再生され、「密室の辞任劇」が事実上の解任劇だったことが明らかになった。自らを辞任に追い込んだ、秋草直之相談役、間塚道義会長ら首脳部の「奸計」を炙り出す ………

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