イラク選挙終わっても「内戦前夜」

スンニ派と組んだアラウィ派の僅差勝利に、マリキ政権は断固阻止の構え。背後にイランの影。

2010年5月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

「シーア派が多数派を占めるイラクで、再びスンニ派が支配するようなことになれば、間違いなく内戦が勃発する」――キナ臭い言葉を口にするのは、シーア派のヌーリ・マリキ首相の側近だ。その「万が一」の可能性を前に、イラクは文字どおり「内戦勃発」寸前の危機的状況に陥っている。3月7日に実施された国民議会選挙(全国区比例制)の結果が、約3週間におよぶ集計作業を経て発表されたのは26日のこと。国民議会の325議席をめぐって111の政党、統一会派、個人などが候補者名簿を届け出たが、サダム・フセイン時代のバース党関係者をリストから排除するなど選挙前から大もめにもめた。投票率は62%と予想より高かったが、結果は現職のマリキ首相には到底受け入れられないものとなった。マリキ首相率いる宗派色の薄い政治会派「法治国家連合」と、アヤド・アラウィ元暫定政府首相が率いる世俗派の「イラク ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。