新興勢力の台頭で受注競争は劣勢となり、得体の知れないベンチャー企業まで現れた。
2010年5月号 BUSINESS
東芝の原発ビジネスの雲行きが怪しくなってきた。選択と集中の名の下、原発を経営の主軸に据え、2015年に売上高を1兆円に倍増させる目標を掲げた。ところが金融危機後、世界経済は様変わりし、競争の枠組みも変わった。新興勢力の台頭で受注競争は劣勢となり、自慢の技術開発では得体の知れないベンチャー企業まで現れた。東芝の歯車は狂い始めている。「西田さんが経団連会長にならなくてよかった」と日立製作所幹部は言う。西田さんとは東芝の西田厚聰会長のこと。抜群の英語力と立て板に水のプレゼン能力で原発推進を伝道師のごとく説いて回る大物財界人だ。1月5日、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテルで開かれた電機業界団体の新年会で西田会長はマスコミに囲まれ上機嫌だった。当時、日本経団連の次期会長候補として注目を浴びていた西田氏は「日本もCO2の25%削減を本気でやるなら、計 ………
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