「トヨタ出し抜く」ゴーンの世界戦略

電気自動車「リーフ」でプリウスを追撃。ダイムラーを自陣に引き込みエコカーの覇権を奪う。

2010年5月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

日産自動車のカルロス・ゴーン社長が反撃の狼煙を上げた。グローバルな資本提携や新興国市場の攻略、電気自動車(EV)戦略で、トヨタ自動車を出し抜く構えだ。すでに日産・ルノーの「日仏連合軍」とドイツの名門ダイムラーが3.1%ずつの株式の相互持ち合いで合意した。3社連合の売上高の合計は約21兆5千億円となり、トヨタを抜き世界1位。販売台数ではトヨタ、フォルクスワーゲン(VW)・スズキ連合に続く世界3位の自動車グループが誕生する。合従連衡が続く業界で台風の目になりそうだ。

日産の業績回復が原動力

提携の主眼は、新興国市場攻略のカギとなる廉価な小型車やEVなどの共同開発にある。特に環境対応では、このままハイブリッド車がエコカーの主導権を握るのか、EVが主力にのし上がるのか、見方が分かれる。ゴーン氏はEVで一発逆転を狙っており、ダイムラーを自陣に引っ張り込むことで、EVの標準化獲得競争でも優位 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。