日経「電子新聞」産みの苦しみ

「ネット上の情報はタダ」という常識を覆す電子版月4千円の価格戦略。新聞界の勢力図を塗り替えるか。

2010年4月号 BUSINESS [再販制度崩壊の引き金]

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新聞業界は日本経済新聞社が今月23日に創刊する「電子版」(Web版)の話題で持ちきりだ。「インターネット上の情報はタダ」という「常識」への挑戦だが、日経関係者の多くは「電子が紙を食うカニバリズム(共食い)が怖い」と不安を口にし、他紙の幹部は「日経の先手必勝」を警戒する。「紙から電子に流れ始めた」。日経幹部は憂鬱そうに呟いた。3月1日に電子版の購読受け付けを始めて1週間。電子版の申し込みが全体で早くも1万5600人を突破したものの、その中身は芳しくない。同社が目論む紙の新聞(宅配=朝夕刊セットで月4383円、全日版で同3568円)と、電子版との併読プラン(Wプラン、いわゆるバンドル=同プラス1千円)は約1万1千人と出足が鈍いのだ。

早期に電子版30万が目標

一方、電子版単体(同4千円)の購読者は約4600人と、予想以上に多かった。同社は電子版創刊の記者会見で「電子版は紙と併読することで一段と ………

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