電子ブックの「黒船」に出版界が姑息な盾

アマゾンが提示した「印税70%」に驚愕。紙と電子の出版権をセットにしようと、ロビー組織で対抗する。

2010年4月号 BUSINESS

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日本語と縦書きという文化障壁に守られてIT革命からは隔離され「本のデジタル化に本気で取り組んでこなかった」日本の出版業界に、アマゾンとアップルという2隻の黒船が襲来する。にわかに「2010年は電子出版元年」と言いだしたが、内心はネットのガリバーが乗り込んでくる恐怖に震えているのだ。先行したのはアマゾン。英語版の電子書籍リーダー「キンドル」を日本からも購入可能にし、秋にも日本版発売との観測が出ている。かたやアップルは、電子ブック閲覧や電子書店の機能を搭載した「iPad」を日本では4月後半に発表する。

「価格破壊」効果を忘れて

電子出版への挑戦は90年代から始まっている。松下電器(現パナソニック)や東芝の電子ブックリーダーのように不発に終わったものもあれば、ケータイ系のコンテンツとして若年層相手にビジネスとして回っているものや、カシオ計算機とシャープで市場を二分している電子辞書 ………

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