世界の環境派が青ざめた「ノーベル平和賞」IPCC議長の仮面。暴いた英紙記者が本誌に特別寄稿した。
2010年4月号 DEEP [ノーベル平和賞の汚点]
人はこう言うかもしれない。リコールの嵐に見舞われたトヨタさながら、世界の気候は「アクセルペダルが引っかかった状態」だと。過熱した地球は破滅へひた走っているからだ。でも、「世界をリードする気象学者」であるこの男は、そんな不穏な引き合いを口にするまい。なにしろ彼の事業には、太っ腹のトヨタ自動車がポンと数十万ドルを提供しているのだ。スポンサーのご機嫌を損ねるリスクを彼が冒すはずもない。誰あろう、ラジェンドラ・パチャウリ博士――過去20年間、世界に地球温暖化の警鐘を鳴らして、誰よりも影響力を及ぼしてきた国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の議長である。つい3年前までこのインド人博士の名(友人はパッチーと呼んでいる)など、世界の大半の人が知らなかった。それが一夜にして有名になったのは、2007年に米国の元副大統領アル・ゴアと並んで、IPCC代表としてノー ………
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