最愚策に陥った「シュワブ陸上案」

2010年4月号 連載 [「軍略」探照灯 第48回]

  • はてなブックマークに追加

3月初旬の段階では、政府は米海兵隊普天間飛行場の移設先として「沖縄県内」を考え、主として名護市の海兵隊キャンプ・シュワブ(海兵第4連隊駐屯地)内の陸上に新飛行場を建設する案を中心に、米国側や沖縄県、関係市町村と調整する方針のようだ。平野博文官房長官は2月20日に沖縄を訪れ、仲井眞弘多知事と会談し、知事が「県外移設がベスト」と言うのに対し「ベターになるかもしれません」と応じ、県内移設の考えであることを示唆したが、キャンプ・シュワブの陸上部分に飛行場を造る案は「ベター」どころか「ワース」か「ワースト」か、というところだ。

問題だらけの「陸上案」

鳩山由紀夫首相は、昨年8月の衆議院選挙戦中に沖縄で「国外、県外移転を図る」と演説している。民主党のマニフェストには「沖縄県民の負担軽減を目指す」と書いているだけだが、演説も公約の一つだろう。また鳩山首相は何度も「5月末までに米軍 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。