リチウム電池に特許訴訟の落とし穴

「豚は太らせてから食う」が知的財産権訴訟の鉄則。商品化で先行する日本メーカーをハイドロ・ケベックらが狙い撃つ。

2010年4月号 BUSINESS

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エコカー向けに爆発的な需要拡大が期待されるリチウムイオン電池(LiB)。米オバマ政権が自動車産業再生と環境重視のグリーン・ニューディール政策を打ち出した結果、ガソリン車から電気自動車(EV)への世界的なシフトが始まり、いよいよ注目が集まる。その一方で現在の民生用LiB生産能力を全部集めてもEVで年産50万台分しかないといわれる。供給過剰でモノが売れない時代にあって、圧倒的な供給不足の超有望商品がLiBなのだ。電池には1回使えば捨ててしまう一次電池と、充電で再使用できる二次電池がある。電池に用いる電解液が水系か非水系(水以外の有機溶媒)かでも分かれる。日常生活でよく目にする乾電池は水系一次電池、家電製品やパソコンに用いてきたニッカド電池、ニッケル水素電池、自動車用の鉛蓄電池などは水系二次電池。こうした水系の電池は簡便に使えるが原理的に発生させる電圧を高く ………

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