長崎知事選に見る「農協の票田」の意味

2010年4月号 連載 [隗より始めよ]

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2月の長崎知事選で、野党の自民・公明党の支持する元副知事が、与党3党が推薦する農林水産省の改革派元官僚を大差で破ったという結果は、「政治とカネ」をめぐる中央の政治の影響もさることながら、「政治と農協」の問題を改めて考える格好の機会となった。今回の知事選の現場は複雑だった。農協を抱き込もうと自民と民主がつばぜり合いを行い、農協が割れて統制がきかなくなったのが実態だろう。農協は表向き農水省OB候補に協力する姿勢を示しながら、実際は集会施設を使わせないとか、ポスターを貼らないとか、自民党側が上手に締めつけていた。こうした水面下の動きはあまり報道されていない。かつて農協には自民党を支える強固な農民組織票のイメージがあったが、近年の国政選挙ではそれが完全に形骸化していることが見えてきた。農協傘下の農民票をあてにした候補の落選が続き、地方では組合長が推 ………

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