デフレの淵源は「リアル」の問題

2010年3月号 連載 [隗より始めよ]

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バブルが破裂してから20年、経済停滞が慢性化している。デフレ的症状もなかなか改まらない。この間、政府は毎年のように景気刺激策を講じてきた。国債を増発し続け、公共事業に資金を投じてきた。日銀も、ゼロ%に近い超低金利を維持し、資金を潤沢に供与してきた。しかしこの20年間の平均成長率は1%で、GDPはわずか2割(実質24%、名目16%)しか増加していない(米国は同65%、2.6倍)。株式に至っては依然、ピーク時の3分の1以下の相場にとどまっていて、米国の大恐慌時よりひどい。一方、20年間に公的債務は4倍近く増え、今やGDPの2倍の水準、先進国の中で最悪の財政である。金利は底這い、家計は給与所得があまり増えない中で、利子所得はほぼ放棄を余儀なくされる状態が続いている。過去の経済政策を振り返ってみると、労多くして功少なしと評価せざるを得ない。過去20年の政策は、長期的にみれ ………

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